全ヘリパッド撤去を 高江住民ら、米軍ヘリ炎上で国に要求


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防衛省担当者(手前)に北部訓練場の全てのヘリパッド撤去を求める要請書を手渡す住民の会メンバーら=29日午前、衆院第1議員会館

 【東京】東村高江で米軍普天間飛行場所属のCH53Eヘリコプターが不時着、炎上した事故で、ヘリパッドいらない住民の会は29日、国会内で防衛省に抗議し、米軍北部訓練場にある全てのヘリコプター発着場(ヘリパッド)の撤去を求めた。住民の会メンバーらは「命に関わる問題だ」「北部訓練場は全部返してほしい」などと訴えた。防衛省担当者は「米側には飛行の安全を強く求めたい」と繰り返した。

 東村高江周辺では、1996年12月の日米特別行動委員会(SACO)最終報告で決まった北部訓練場の過半返還に伴いヘリパッド6カ所の移設が昨年末に完了した。住民の会は2007年のヘリパッド建設着工当時から墜落の危険性などを懸念していた。

 抗議文では住民が懸念していた事故が「起こるべくして起こった」と指摘。政府の進めるヘリパッド建設を東村も容認してきたとして「国も東村も住民の命を守るどころか犠牲にしている」と厳しく批判した。その上で、今後も米軍が訓練を続ける限り同様な事故が起こるとしてヘリパッドの撤去を求めた。

 住民らは事故による土壌の放射能汚染の可能性も問いただした。米側は事故機周辺の土壌を同訓練場内に運び込み、調査結果を公表しない考えを示している。防衛省は引き続き調査結果の提供を求める考えを示した。日本側による土壌調査は事故機までの距離は約2メートルまで行われた。住民や消防士の健康診断は実施中だという。