子の貧困対策 共助で 那覇でフォーラム 労金基金、活用語る


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「ろうきん働く仲間のゆめ・みらい基金」の取り組みを通じ、子どもの貧困問題について語るパネリスト=1日、那覇市の自治会館

 沖縄県労働者福祉基金協会(労福協)は1日、那覇市の自治会館でフォーラム「沖縄県における子どもの貧困の今」を開いた。貧困対策として県労働金庫が創設した「ろうきん働く仲間のゆめ・みらい基金」の取り組みを報告し「公的支援が難しい場合には、共助で支え合えたら」と意義を訴えた。約270人が出席した。

 パネルディスカッションには県労働金庫や、基金の運営を担う労福協、現場を知る県高校障害児学校教職員組合(県高教組)などの関係者5人がパネリストとして登壇した。

 労福協の岡野みゆき次長によると、昨年10月から今年11月までの基金の支給と貸し出しは126件、約497万円。衣食住に関する生活安定化支援が最も多く、2番目が入学金など子どもへの支援だった。

 高教組の稲福京子書記長は、基金を活用し、社会福祉士などの資格取得に必要な費用に充てている事例を紹介。公的な支援と違い、難しい申請をせずに素早く支援を受けられると述べ「教師は困っている子たちを支援しやすくなり、子どもたちも前向きになった」と効果を語った。

 県労働金庫経営統括部の宇地泊信司部長は、基金の支援を受けた子どもの「早く就職し、安定した収入を得たら私も恩返しがしたい」とのメッセージを紹介し「理想とする共助の循環だ」と喜んだ。