米軍機部品か、保育園に落下 上空にCH53 宜野湾


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保育園の屋根に落下したプラスチックの筒=7日、宜野湾市野嵩(金井創さん提供)

 7日午前10時20分ごろ、沖縄県宜野湾市野嵩の普天間バプテスト教会に付属する緑ヶ丘保育園のトタン屋根に、プラスチック製の筒が落下した。けが人はいない。落下時間直前に米軍の大型輸送ヘリコプターCH53が飛行しており、捜査関係者は「落下物の特徴からも周辺状況からも、米軍機から落下した可能性が高い」と指摘した。宜野湾署が落下原因などを調べている。米海兵隊は本紙取材に対し「慎重に捜査を進めている」と回答した。

 目撃者によると落下直前の午前10時15分ごろ、米軍普天間飛行場からCH53Eが宜野湾市野嵩方面に離陸するのが確認されている。

 保育園の神谷武宏園長によると、当時園内にいた園児は約60人。筒が落ちたのは保育園の1歳児クラスのトタン屋根の上で、クリスマスの劇の練習を終えた園児らが園庭で遊んでいた。落下地点が数十センチずれていたら、園庭に落ちていた可能性がある。

 宜野湾署によると、筒は長さ約9・5センチ、直径約7・5センチ、厚さ約8ミリ、重さは約213グラム。表面には「REMOVE BEFORE FLIGHT」(飛行前に取り外すこと)と英字で表記されている。米海軍ホームページによると、CH53のプロペラの異常を感知する機器のカバーの可能性が高い。中嶋浩一郎沖縄防衛局長は7日午後、宜野湾市役所に佐喜真淳市長を訪ね「一報を受けて現場へ向かった。米軍に問い合わせているが調査中だ」と説明した。市長は「米軍の物だと断言できるのではないか。保育園に物が落下したという今回の事案は重大だ」と抗議した。宜野湾市議会は基地関係特別委員会を開いて対応を協議した。

 翁長雄志知事は、県の分析としてCH53の部品の可能性が高いとし「一歩間違えれば重大な人身事故につながりかねず、深刻な事故だ」などと話した。菅義偉官房長官は「保育園の関係者のみならず沖縄県民の方々に不安を与えるものであり、あってはならないことだ」と述べた。

英文へ→Canister believed to be from a US helicopter lands on a nursery school in Ginowan