「子どもの命を守るため」 母親たちが嘆願書提出へ 保育園・米軍部品落下


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対応を話し合う緑ヶ丘保育園父母会の役員たち=8日、宜野湾市野嵩の同園

 【宜野湾】「子どもの命を守るため、声を上げたい」。宜野湾市野嵩の緑ヶ丘保育園に米軍機からとみられる円筒状の物体が落下した問題を受け8日、園児の母親たちが集まった。緊急に開かれた父母会の役員会では、近く全体の会合を開き、知事や市長らに宛てる嘆願書の作成を提案することが決まった。8日朝、園児を登園させた保護者からは「危険性を実感した」「米軍機を飛ばさないで」などと不安の声が上がった。(1面に関連)

 父母会で行動を起こそうと提案したのは3歳の長女を通わせる与那城千恵美さん(44)。「『けががなくて良かった』で済ませたくない。園児がいる庭のすぐそばに落ちた。絶対に許せない」と憤った。

 役員会では母親たちから「外で遊ばせるのも怖くなった」「知事も現場に来てほしい」「うやむやで終わらせたくない」などの意見が上がった。父母会の宮城智子会長(48)は「二度と起こってはいけない。父母会全体で話し合いながら、声を上げ続けたい」と意気込んだ。

 園には朝から保護者に見守られながら登園する子どもたちの姿があった。神谷武宏園長(55)によると、欠席は3人だった。園児らは園庭に出ることはなく、室内で劇や歌の練習をしたり、昼寝をしたりして過ごした。

 2歳の娘を抱いて登園した大城博美さん(32)は「基地の近さを改めて実感し、怖くなった。少しでもそれていたら子どもに当たっていたかもしれない」と顔を紅潮させ「知事や市長は単に抗議文を渡すだけで終わるのではなく『自分の子どもが通っていたら』と考えて行動して」と力を込めた。