北部訓練場の安全運用を 返還地引渡式で首長ら要求


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北部訓練場返還地引渡式に出席した(左から)宮城久和国頭村長、小野寺五典防衛相、大浜浩志県環境部長、伊集盛久東村長=25日午前、国頭村の国頭村民ふれあいセンター

 沖縄県の米軍北部訓練場の返還地引渡式と記念祝賀会が25日、国頭村民ふれあいセンターで開かれた。小野寺五典防衛相や国頭村の宮城久和村長、東村の伊集盛久村長ら関係者約110人が出席した。式典の出席者は、10月に東村高江で起きた米軍ヘリCH53Eの不時着・炎上事故に触れ、安全面の配慮を求めた。

 北部訓練場は2016年12月に4010ヘクタールが日本側に返還された。敷地内の土壌や水質調査が終了したことを受け、今回、地権者に引き渡された。国有地3403ヘクタール、県有地577ヘクタール、国頭村有地17ヘクタール、私有地13ヘクタール。

 宮城村長は「基地機能は依然として残されている。運用に当たっては県民、村民に影響がないよう最大限配慮をお願いする」と求めた。小野寺防衛相は米軍機による事故が相次いでいることに触れ「地元への影響を最小限にとどめるよう求めていく」とあいさつした。県の大浜浩志環境部長は「北部訓練場に隣接する住民生活に多大な影響が生じている。政府の責任で演習の在り方など米側へ働き掛けるようお願いする」と翁長雄志知事のあいさつを代読した。

 4010ヘクタールの返還と引き替えに、東村高江区を取り囲むように六つの新たなヘリコプター発着場(ヘリパッド)が建設された。式典前に小野寺防衛相と懇談した仲嶺久美子高江区長は記者団に対し「面積が減っても私たちの所は負担が増えている。そのことを考えてほしい」と強調した。

 翁長知事は式典を欠席した。自民党の県関係国会議員や県議会議員、仲井真弘多前知事が出席した。