2メートル石積み 城壁出土 建造技術手掛かりに 浦添城跡


この記事を書いた人 大森 茂夫

 【浦添】浦添市教育委員会による浦添城跡(国指定史跡)の発掘調査で、浦添城跡(国指定史跡)から長さ約8メートル、高さ約2メートルの14世紀ごろの石積み城壁が18日までに出土した。浦添グスクの建造技術などを知る貴重な発見となった。

浦添城跡の発掘調査現場で発見された高さ2メートルの城壁=18日午後(具志堅千恵子撮影)

 浦添城跡は沖縄戦後に土木建築資材として石材が持ち出され、城壁がほとんど残っていないため、城壁の位置が不明な箇所が多くあった。2014年度の発掘調査で比較的良好な遺構が確認されていたが、ガジュマルの大木に阻まれて城壁の延長の様子は不明だった。

 今回の調査ではガジュマルなど傾斜地の樹木を伐採して発掘を進めたところ、直方体に切り出した琉球石灰岩を積み重ねる「布積み」の城壁が出現した。石積みは最大10段の高さで、市教委文化課グスク整備係の仁王浩司さんは「これほどの高さの石積みが確認できたのは初めてで、非常に価値がある」と喜んだ。

 市教委は28日午前10時と午後2時から、一般公開の現場見学会を開く。参加無料で、雨天中止。問い合わせは市教委文化課(電話)098(876)1234(内線6213)。(松堂秀樹)