名護市長選・立候補予定2氏 政策アンケート(上)米軍基地問題・安全保障


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

辺野古、改憲については異なる立場/地位協定改定では一致

 28日告示、2月4日投開票の名護市長選を前に琉球新報社は、3選を目指す現職の稲嶺進氏(72)=社民、共産、社大、自由、民進推薦=と、新人で前市議の渡具知武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=の立候補を表明している2氏に、政策アンケートをした。米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題や翁長県政の評価、改憲などで、両氏の立場、主張に違いが出た。アンケート結果や取材を基に両紙の政治姿勢や政策を紹介する。

 辺野古問題については、稲嶺氏は「今回の選挙で一番の争点は辺野古新基地問題だ。市民を二分し、対立を生み続けてきた問題に終止符を打つ」と強調。「名護市長と県知事の権限で、埋め立て本体工事にはいまだ着手できていない。辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせない」とした。

 渡具知氏は「日米同盟の重要性は認識しつつも、米軍基地が極端に偏在している。過重な米軍基地の負担軽減は多くの県民の願いで、海兵隊の県外・国外への移転を求める」と主張。辺野古問題は「現在国と県が係争中であり、この行方を注視したい」と答えた。

 翁長県政の評価では、意見が真っ二つに分かれた。「支持する」とした稲嶺氏は、「沖縄建白書を実現させるために公約を守り信念を貫く翁長知事を最後まで支える」と回答。「支持しない」とした渡具知氏は「辺野古問題にかかりきりで、一番重要な沖縄振興予算の獲得をおろそかにしている」と批判した。

 改憲についても両氏でスタンスが異なった。稲嶺氏は「反対」とし、「日本国憲法の理念と9条を守り、安保法制の廃止を目指す。安倍政権による憲法9条の改定に反対する」と回答した。渡具知氏は「どちらでもない」として「改憲の中身が明らかにならない中で良いか悪いかの判断は付きかねる。改憲の中身が出たところで判断したい」と答えた。

 オスプレイの県内配備については、稲嶺氏は「欠陥機オスプレイの事故率は今や約2倍だ。政府の説明してきた安全神話は崩壊した」として、配備撤回を求めた。渡具知氏は「配備が市街地の真ん中の普天間飛行場で非常に危険。訓練地に赴くにも集落上空を通り危険だ」として訓練移転を求めた。

 日米地位協定の改定については、両氏とも不平等性や、米軍関係の事件事故の究明や防止策が明らかにならないなどとして「改定すべきだ」とした。(’18名護市長選取材班)