その校則は誰のため? 問われる自主性尊重(解説・那覇市内高校生100人聞き取り)


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 染髪違反との誤解を避け「生徒を守るため」に提出させている地毛証明書。提出している生徒は「地毛を否定されているようでいい気持ちはしない」と吐露する。教員の情報共有のためとされているのに「指導のたびに引っかかる」と怒る生徒もいる。無用な指導を避けるためという本来の目的は実現しておらず、生徒の不満が募るのは当然だ。

 どの学校も「全ての指導は生徒の納得の上で行っている」と言うが、押しつけられていると感じる生徒は少なくない。身なり指導を容認した70人中34人から「学校が勝手に決めているものに納得がいくはずがない」「指導の十分な説明が足りない」といった声が挙がっており、一方的指導となっている様子がうかがえる。

 大阪府教育委員会は、府立高校生が訴訟を起こしたのをきっかけに高校生へのアンケートを実施し、現状に合わない校則を見直す方針を示している。

 県内の生徒からも「校則はみんなで決めたい」という声も多く挙がった。しかし、生徒総会で校則見直しを訴えたがかなわなかったという高校もある。生徒の自主性を尊重した学校づくりが問われる。(新垣若菜)