情感込め「二見情話」 国頭のALT・ベックリーさん奨励賞 「古典に魅了、最高賞挑む」


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 【国頭】米ニューヨーク州から来沖し、2013年から国頭村教育委員会のALTとして、村内7小学校と中学校の英語を指導しているベックリー・スティーヴェンさん(26)がこのほど、名護さくら祭りの一環として開催された「第34回二見情話大会」に唄三線の宮城幸子さん(琉球古典音楽野村流保存会師範・国頭村浜)、三線伴奏の平良英勝さん(大宜味村)の3人で初めて出場。出場18組中、3位に入り奨励賞を受賞した。

「二見情話大会」に出場した(左から)平良さん、ベックリーさん、宮城さん=1月27日、名護さくら祭りお祭り広場

 ベックリーさんは地域との関わりを通して琉球古典音楽の魅力に引かれ、琉球古典音楽野村流保存会宮城欣也三線教室(国頭村辺土名)へ入門。子どもたちへ英語指導を行う傍ら、週2回唄三線の指導を受けて稽古に励み、めきめきと上達した。

 三線を始め1年余の14年11月、伝統芸能選考会・琉球古典音楽三線の部門で新人賞を受賞、16年11月には優秀賞も受賞した。

 これまで「北部芸能祭」や村内で行われている「恋し鏡地大会」「国頭村文化協会舞台発表会」など村内各地域で行われる諸行事に参加。活躍の場を広げている。

 国頭村で過ごした日々の生活への思いや、名護市に多くの友人がいることも重なり、二見情話大会への出場条件が男女ペアであることから、同じ稽古場の宮城幸子さんへ声を掛けて今回の出場を決意した。大会本番では感情を込めて歌い上げ、会場からはひときわ大きな拍手が送られた。

 ベックリーさんは「周囲の仲間たちに支えられた。これからも、沖縄文化を大事にして唄三線を頑張って続けていき、今年は伝統芸能選考会・最高賞にも挑戦する」と唄三線への思いを話した。

(新城高仁通信員)