米司令部に通報せず 海兵隊、オスプレイ吸気口落下で


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 【東京】小野寺五典防衛相は16日の会見で、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイがエンジン吸気口を落下させた事故を巡り、米側が当初日本側に通報していなかった問題について「第3海兵機動展開部隊から在日米軍司令部に通報が速やかではなかった」と述べ、事故直後に司令部への報告がなかったことが原因だったと明らかにした。謝罪はなかったという。

 小野寺氏によると、第3海兵機動展開部隊は「今回のような事案が発生した場合には在日米軍司令部に通報する必要があることを十分に理解した。さらに日本政府への通報や情報共有に関する米側の手続きに関して引き続き改善していく」と説明した。これに対し防衛省は迅速に通報するよう申し入れた。

 事故の通報体系は日米合意で詳細に規定されている。事件・事故に責任があるか察知した司令官が各部隊の司令部を通じて在日米軍司令部に報告することになっているが、同時に沖縄防衛局にも連絡することになっている。オスプレイを運用する第3海兵機動展開部隊の司令官は在沖米軍トップのニコルソン四軍調整官が兼任。合意が順守されなかった格好だ。

 米軍は事故が起きた場合、時間や場所も通報することになっているが、詳細は明らかにされていない。

 通報遅れについて小野寺氏は「米側は引き続き改善していくということなので、不十分だったと認めたということだと思う」と指摘した。落下事故は8日に発生したが、米軍は日本側からの連絡を受けて9日に事故を明らかにしていた。