爽快感届けて半世紀 沖縄コカ・コーラ 変革の歴史、これからも


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創立50周年を迎える沖縄コカ・コーラボトリングの城英俊社長(左)、高橋俊夫会長=浦添市伊祖の同社

 清涼飲料水製造大手の沖縄コカ・コーラボトリングが22日に創立50周年を迎える。創業者の故・高梨仁三郎氏が掲げた「沖縄の振興と雇用に貢献する」という志を受け継ぎ、地元密着の事業を続けている。高橋(たかはし)俊夫会長と城英俊社長は「支えてくれた多くの人のおかげでここまで来られた」と感謝し「消費者のニーズに応えられるよう変革を続けていく」と意欲を示した。

 高橋会長は「沖縄で製造に失敗があれば世界中にダメージを与える。工場を持つ責任は大きく、品質に神経をとがらせてきた」と、世界ブランドの一翼を担ってきた自負を語る。

 飲料容器は瓶から缶、ペットボトルへと変化し、製造設備を見直してきた。城社長は「缶コーヒーやスポーツ飲料、お茶など、得意でない商品も展開してきた」と話し、「変革の歴史」が県内清涼飲料水業界トップに立つ礎となった。

 長い歴史で取り組んできた社会貢献活動の中でも特筆されるのが、大学在学期間に返済義務のない奨学金を贈る事業だ。1973年の開始からこれまで、受給者で大学を卒業した人は100人を超え、貧困の連鎖を断ち切る先駆的な取り組みとして注目される。城社長は「経営者として日頃、利益のことなどを考えているが、奨学事業はやりがいにもなっている」と語る。

 昨年発売の特定保健用食品「コカ・コーラプラス」は全国を上回る伸びを見せて好調だ。通信機能を付けた自動販売機の展開も進める。城社長は「何が売れているかが遠隔で分かり、在庫を切らさない。人手不足が進む中、より成果のある仕事につなげていく」と語った。

※注:高梨仁三郎氏の「高」は旧字体
※注:高橋俊夫会長の「高橋」は旧字体