男子仲間3度目V、女子は吉田が初制覇 おきなわマラソン


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 第26回2018おきなわマラソン(主催・中部広域市町村圏事務組合、琉球新報社、沖縄テレビ放送、沖縄陸上競技協会、県総合運動公園指定管理者トラスティック・ミズノ共同企業体、共催・県高校体育連盟)は18日、沖縄市の県総合運動公園を発着点に開催された。フルマラソンの総合順位では競技部門の仲間孝大(豊見城市、29歳)が2時間24分18秒で6年ぶり3度目の頂点に立った。女子は競技部門の吉田香澄(ニトリ、埼玉、23歳)が2時間47分31秒で初優勝した。

■仲間、完璧な復活劇

給水ポイントで水を受け取る男子1位の仲間孝大=18日午前、嘉手納基地(花城太撮影)

 中盤までは競り合う展開も、終わってみれば2位と約8分の大差をつけた。仲間孝大(29)=豊見城市=が自身のペースを守り続け、終盤は独走状態となり頂点をつかんだ。2012年大会以来、3回目の優勝に「自分の走りに結果がついてきて、優勝できて安心した」とほっとする。一方、「もし追い付かれても最後の5キロでスパートをかけ、引き離せる自信はあった」と、あらゆる状況を想定した王者らしい試合巧者ぶりものぞかせた。

 スタート直後から先頭集団でレースした。「1キロ3分30秒の予想より5秒ほど速い」展開には、勝負どころを30キロ地点と設定し、前に出ることを抑え、一定のペースでの走りに徹底した。トップ争いをした吉成祐人が次第にペースを落とす中、30キロ以降は1キロ3分20秒とピッチを上げ、差をつけた。途中腹痛からレースを離れる場面もあったが、20度超の気温に給水を忘れず、体に水をかけ、冷やすことで後半の失速を防いだ。

 おきなわマラソンの優勝から離れていた間にマラソンや5000メートルで県記録を樹立するも、ここ数年はけがに悩まされた。それでも「この6年は自分にとってプラスだった」と前を向く。

 同級生でマラソンの現・県記録保持者の濱崎達規(南城市役所)と一緒にレベルの高い練習を送る。既に8月の北海道マラソンに照準を定めている。「今年こそ、2時間15分台での優勝を達成したい」と挑戦の1年へ思いは強い。(屋嘉部長将)

■吉田 盤石の独り旅

笑顔でゴールする女子1位の吉田香澄=18日午前11時47分ごろ、沖縄市の県総合運動公園陸上競技場(花城太撮影)

 男子選手のペースに引っ張ってもらい、序盤から独走態勢に入った吉田香澄(ニトリ女子ランニングチーム)=埼玉県=が1キロ4分前後のペースを崩すことなく、笑顔で走り抜けた。ゴール後、振り返って競技場に深々と一礼し「タイムは振るわなかったけれど、練習通りの力が出せた」と声を弾ませた。

 2月中旬の宮古島市での合宿から少し日を置いて臨んだレースだが、コースの下見はせずに、ほぼぶっつけ本番だった。勾配のあるコースも「実業団の選手なので、優勝しないといけない」と特に意識せず前へ進み続けた。

 男性選手と共に走ったが約25キロで1人だけの走りへ。前半「速く走りすぎた」分、ペースが落ちかけ「ここからがきつかった」という。

 終盤の石平から渡口交差点までの下り坂に「体が前に持っていかれて、競技場付近の平たんなコースもいつも以上にきつかった」と振り返った。

 松蔭大学の頃はトラック競技がメインで、ニトリに所属した後、昨年の北海道マラソンからフルにも参加した。3大会に出場し、今回で2度目の優勝だ。

 喜びもあるが昨年から始まった五輪代表枠を決めるグランドチャンピオンシップシリーズへの出場権獲得を目指すためにも、「トップレベルに一歩ずつ近づけるよう、しっかり練習を積んでいきたい」と話し、さらなるタイム短縮へ意気込んだ。(嘉陽拓也)