映像切り取り、効率化 ソフトウエアのオキコム 台湾大手と業務提携へ


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映像の切り抜き技術を活用しながら作業を進めるオキコムのスタッフ=20日、宜野湾市大山

 ソフトウエア開発などを手がけるokicom(オキコム、宜野湾市)が、映像編集の技術を使った海外展開事業を進めている。映画やドラマなどの映像を編集する際に画像から人物などを切り取る技術で、23日には台湾最大手の映像編集会社・台北影業社と業務提携を結ぶ。今後は台湾のほかアジア地域の映像切り取りに関する業務を請け負い、沖縄で作業を進めることを目指す。

 映像から人物などを切り取る編集作業は、技術者が手作業で時間をかけて輪郭を縁取っていくのが一般的だった。オキコムが使用するソフトウエアは切り取りたい部分の縁取りを半自動で行えるようになっており、業務の効率化が図れる。髪の毛など複雑な部分も高精度で切り取ることが可能となっている。

 台北影業社の映像切り取り作業と比較したところ、同ソフトを活用することで作業時間が3分の1に短縮されたという。今回の業務提携では台北影業社から撮影データを受け取り、オキコムが沖縄で映像処理を行う。

 これまで切り取りを前提とした撮影は屋内で行うことが多く、緑の背景を設置する必要があった。同ソフトは輪郭が認識できる場所であれば屋外で撮影した映像でも切り取りができるため、光や風などを自然な形で取り込むことができる。

 オキコムが海外に展開する映像切り取りの技術は、画像処理業務などを行うエム・ソフト(東京都)のソフトウエアを活用している。同ソフトはエム・ソフトが社内向けに利用していたが、オキコムは映像制作や企画を行う航時者(那覇市)と協力しながら、同社以外でも使いやすいように改良した。

 今後、切り取り作業をこなせる人材を県内で育成して、映像処理業務を海外から受注していく。

 オキコム取締役の小渡晋治氏は「海外の需要を開拓して沖縄で切り取りの技術を確立したい」と強調。「映画の撮影から映像編集まで沖縄で対応できるようにして、県内で仕事が回るようにしたい。沖縄の映像産業の位置づけを高めたい」と目標を掲げた。