3世金城さん、名桜大学に合格 「ブラジルと懸け橋に」


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名桜大学への入学が決まった金城ビアンカさん(左)と県系子弟の留学生を支援する島袋茂照さん=16日、名護市の名桜大学

 【名護】沖縄県名護市の名桜大学に今春、ブラジル出身で県系3世の金城ビアンカさん(20)が合格した。昨年4月から1年間、留学生として同大学で学び、沖縄で勉強を続けるため、外国人特別選抜試験を受けた。合格した金城さんは、地域の支えに感謝し「将来は沖縄とブラジルの懸け橋になりたい」と張り切っている。

 金城さんは祖父が那覇市、祖母が糸満市出身。自らのルーツを知りたいと、ブラジル・パラナ州のロンドリーナ州立総合大学から名桜大学に留学し、日本語や沖縄の歴史、文化などを学んだ。「ブラジルにいて1年かけて勉強することを名桜では1カ月で学ぶことができる。この1年で本当にたくさんのことを学んだ」と振り返った。

 生活費を援助し、留学を支えたのが市内企業の有志らがつくる「名桜大学県出身子弟を支援する会」だ。大学側から、県系留学生たちが経済的に苦労しているとの相談を受け、勝山病院理事長の島袋茂照さんの呼び掛けで発足。2007年から、これまでに金城さんら計14人を支援してきた。

 支援する会の会長を務める島袋さんは、子どもの頃に世話になった親戚の女性がブラジルに移民、その縁もあって県系出身者を支援しているという。金城さんに「沖縄の歴史や文化を学び、ブラジルに伝えてほしい」と語り、今後も支援を続ける考えを伝えた。

 金城さんは「小さい頃から沖縄への留学が夢だった。援助に本当に感謝している」と話した。名桜大にはブラジルの大学を辞めて入学し、4年間学ぶ予定だ。

 将来は国際交流に関係する仕事に就くことを希望している。「沖縄のことをもっと学びたい。ブラジル、南米と沖縄をつなぐ懸け橋になりたい」と話し、これからの大学生活に胸を膨らませている。