OIST 14人に博士号 開学後初


この記事を書いた人 大森 茂夫
学位記と同大学が読谷山花織事業協同組合と共同制作したアカデミックドレス用のフードを受け取る修了生=24日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学

 【恩納】沖縄県恩納村の沖縄科学技術大学院大学(OIST)は24日、2011年に創立し、12年に博士課程を開設後初めての学位記授与式を開いた。12年に入学した10の国や地域の14人に博士号(学術)が授与された。父母や開学に関わった関係者など約300人が参加し、修了生の新たな門出を祝った。また01年の沖縄担当相時代にOIST開学を提唱し、同大学の理事も務めた尾身幸次氏(85)に、名誉博士号が授与された。

 ピーター・グルース学長は「人生は実験だ。実験はすればするほどよいものになる」と米国の文豪の言葉を引き、「次の大いなる実験の幸運を祈る」と修了生にメッセージを送った。祝辞には、ノーベル物理学賞受賞者であり、OIST構想を推進したスティーブン・チュー博士が登壇し「(子どもたちから)借り受けた地球を大切にしたと子どもたちに思ってもらえるようにしてほしい」と激励した。

 修了生代表のキャロリン・スタージンスキ博士(30)は「全ての在学生が粘り強さを持ち、多くの幸運が訪れるよう祈っている」と笑顔であいさつした。修了生は、米ハーバード大や東京大などでの研究職や、科学出版事業のシュプリンガー・ネイチャーで編集者職などに就くという。