「集団自決」風化させぬ 村職員ら遺骨収集 読谷村波平のチビチリガマ


この記事を書いた人 大森 茂夫
遺骨や散らばった遺品を拾い集める読谷村職員労働組合青年部員=24日、読谷村波平のチビチリガマ

 【読谷】沖縄県読谷村職員労働組合青年部の部員12人が24日、昨年9月に少年たちによる損壊事件があった読谷村波平の自然壕チビチリガマを訪れ、壕内を清掃した。荒らされ壊された遺品を拾い集めたほか、事件前から手付かずの状態だった遺骨の一部を収集した。チビチリガマ遺族会の与那覇徳雄会長は「4月の慰霊祭までに整理をしたかった。今後の平和教育の在り方など、若い青年に期待したい」と静かに語った。

 清掃にはチビチリガマで「集団自決」(強制集団死)に追い込まれた住民の証言収集などに長年携わっている知花昌一さん(69)も立ち会い、当時の様子を青年部員らに語った。知花さんは「遺品は再現できないが、残すことで何とか当時のガマの様子が伝われば」と話し、青年部員が拾い集めた破壊されたビンのかけらなどを悔しそうに見詰めた。

 与那覇会長によると、遺骨は子どものものとみられるという。保管方法などについては今後、遺族会で話し合って決める。村職労の知花尚志さん(30)は「ひどい状態になっている中の様子を見て、悲しい気持ちになった。村職員として、遺族会の方々など多くの方が語り継いできたことを、次世代につなぐ活動をしていきたい」と口元を引き締めた。

 村職労の上地薫副部長(33)は「少しでもお役に立てたならありがたい。平和活動、平和教育を今後も続けていきたい」と話した。