沖縄県民3~4割、観光客は6割超 自転車シェアの利用意向調査


この記事を書いた人 Avatar photo 与那嶺 明彦

 街中に設置した「サイクルポート」といわれる複数拠点から自転車が借りられる自転車シェアリングについて、内閣府沖縄総合事務局の調査で、沖縄県を訪れる観光客の65%が「あれば利用したい」と答えた一方、県民で利用したいと答えたのはバス・モノレールなど公共交通機関利用者は43%、自家用車での通勤・通学者で30%にとどまった。

 自転車シェアリング自体を知っていると答えた県民は約4割で認知度も低かった。総合事務局は自転車を利用した観光コンテンツとしての可能性を挙げるとともに、渋滞解消に向けて自転車利用に対する県民への啓発が必要とみている。

 沖縄総合事務局が全国ワーストの渋滞を緩和する対策と、観光客と地域の交流機会を増やす手段としての可能性を探るため調査した。自転車シェアリングを知っていると答えたのは観光客で71%だったが、県内の自家用車での通勤・通学者は40%、モノレール・バス利用者は43%だった。

 自転車の利用意向がある観光客の60%が「他の交通手段では行きづらいところに行ける」ことを理由に挙げ、「道路が渋滞している」40%と続いた。「車と違った景色を楽しみたい」という回答も36・9%あり、自転車を利用した新たな市街地観光の可能性も示された。

 自転車シェアリングを利用したいと回答した県民のうち、公共交通と自家用車での通勤・通学者は、利用する場面として(1)自動車を使うほどの距離ではない(2)移動費用の削減(3)交通機関の不便な場所への移動―を挙げた。

 しかし自家用車での通勤・通学者の42・9%、公共交通利用者の26・3%が現状の移動手段に満足していると回答。暑いことを理由に自家用車での通勤・通学者の38・6%、公共交通利用者の29・8%が自転車利用を選ばなかった。

 沖縄総合事務局は調査結果を踏まえ、自転車の貸出場所や台数、料金を設定し、シェアリングサービスの定着化を探る。

 調査は2017年11月10~19日にウェブ上で実施した。県内に住む自家用車での通勤・通学者、モノレールとバスの利用者、観光客それぞれ100人と自転車利用者を対象にした。