宮崎駿さん「風の帰る森プロジェクト」 久米島施設 年内にも


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銭田森林公園に建設中の子どもたち向けの交流拠点施設。年内の開所を目指す=1日、久米島町(中島徹也通信員撮影)

 「となりのトトロ」などで知られるアニメ映画監督・宮崎駿さんからの寄付を資本に久米島町銭田森林公園で建設中の「子どもたち向けの交流拠点施設」が7月末に完成し、早ければ年末にも開所する。2017年秋の開所を目指していたが、関連基金の創設や工事の遅延により約1年遅れた。施設内には久米島町で初となる放課後児童クラブ(学童保育)も整備されることが決まり、観光客だけでなく地元住民の間でも開所への期待が高まっている。

 「風の帰る森プロジェクト」と題した同計画では、町が銭田森林公園の一部約1万平方メートルの土地を提供。宮崎さんからの寄付金約3億円で全4部屋の宿泊施設や図書室が備わった2階建ての保養施設を整備する。図書室には全国から寄贈された2千冊超の児童書が並び、島内外の子どもたちが集い交流できる児童館としての役割も担う。

 町で初めてとなる学童保育は19年4月のオープンを目指し、最大80人を受け入れる。

 町プロジェクト推進課の長濱光秀主任は「以前から学童の整備を求める声があった。教育の観点からも島内外の子どもたちが大自然の中で学び、遊び、交流し、感性を育む場になればいい」と期待を寄せた。

 施設の設計を担当した久米クリエーションの渡辺信介さんは「大人も子どもも学べ、楽しめる場所を目指したい」と話し、40人規模の修学旅行への対応も積極的に検討する意向を示した。(当銘千絵)