カメジロー精神に思い 不屈館5周年 FECコント、講演も


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 米軍の圧政と闘った政治家、瀬長亀次郎さんが残した資料などを展示する「不屈館」(那覇市若狭)の開館5周年イベントが3日、同市の桜坂劇場で行われた。演芸集団「FEC」のコントやTBSの佐古忠彦さん(53)の講演があり、参加者は瀬長さんが体現した「不屈の精神」に思いをはせた。

不屈館の開館5周年イベントで「お笑いカメジロー」を披露するFECのメンバーら=3日、那覇市牧志の桜坂劇場

 同館は13年3月に開館し、これまでに約2万9千人が訪れている。この日のイベントは昼と夜の2回あり、それぞれ約200人が参加した。

 内村千尋館長(72)は壇上で5年間の歩みを振り返り、「亀次郎を知ろうと、若い人の来館が増えたのが一番うれしい」と周囲の支えに感謝した。

 FECは瀬長さんに関わる実在の場面を交え、新作コント「お笑いカメジロー」を披露した。

 多くの市民が歓迎する中、「カメジロー」が沖縄刑務所を出所。痩せ細った「カメジロー」に市民は「栄養失調のゴボウかと思った」。会場は何度も笑いに包まれた。

 映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー」の監督を務めた佐古さんも講演し、瀬長さんの足跡を紹介した。

 撮影時の裏話も交えながら「暗黒と言われた米統治時代、亀次郎は民衆の希望の光だった」「亀次郎の不屈の精神が沖縄の礎になり、今の闘いにつながっている」と指摘した。