市民、賛否ぶつけ合う 陸自弾薬庫で説明会 宮古島市


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保良鉱山への陸自弾薬庫の配備について、防衛省職員から説明を受ける市民ら=4日、宮古島市中央公民館

 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備で市城辺の保良鉱山に弾薬庫の配備を計画している防衛省は4日、全市民を対象に住民説明会を市中央公民館で開いた。約140人が参加した。防衛省は地対空・地対艦ミサイルを保管する弾薬庫施設の安全対策を強調し、配備に理解を求めた。反対する市民は、集落が近隣から近く「有事の際に攻撃を受ける可能性がある」と懸念を示した。賛成の市民は配備が抑止力になり、また地域活性化にもつながると主張した。それぞれが意見をぶつけ合い、一時騒然となる場面もあった。

 施設の説明をした防衛省の米山栄一施設計画課長は「弾薬庫の安全性については自信を持っている。万全の措置を取らせてもらう」と強調した。

 鉱山から約250メートルの距離に住むという女性は「保良鉱山を所有する会社は別の場所にも鉱山を開発している。その周辺に住民は住んでいない。なぜ住民が近くに住む保良でなければならないのか」と訴えた。

 下地島に自衛隊を誘致する活動をする仲間頼信さん=市伊良部=は「(自衛隊の)抑止力はぜひ必要だ。保良の人と条件整備をして双方が納得できるようにしてほしい」と述べ、過疎化が進む集落近くに自衛隊宿舎を造ることを提案した。

 賛否双方の主張にヤジや怒号が飛ぶ場面もあった。中立の立場という男性は「小さな島で賛成派と反対派で目を血走らせて闘っているのが残念」と双方に冷静になることを呼び掛けた。防衛省が終了を宣言した後、全ての質問に答えていないとして、防衛省職員に詰め寄る市民もいた。