復帰闘争の資料、電子化 明治大の村岡さん 読谷村と連携、資金募る


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資料のデジタルアーカイブ化を進める明治大学研究知財戦略機構の村岡敬明研究推進員=2月28日、読谷村波平の読谷村史編集室

 明治大学研究知財戦略機構で研究推進員を務める村岡敬明さん(31)が、読谷村教育委員会と連携しながら、村が所有する屋良朝苗主席や復帰闘争関連資料を電子化して保存するデジタルアーカイブ化を進めている。村岡さんは「大衆運動の歴史を後世に伝えたい」と話し、未整理の写真資料約2万5千点の電子化を目指し、クラウドファンディングで資金を募っている。

写真2万5000点整理へ

 読谷村は、2013年に県教職員組合(沖教組)から復帰運動や屋良氏に関連する資料約8万点の寄贈を受け電子化を進めていたが、全資料の電子化には至っていなかった。村岡さんが電子化した資料を含めて、23年度以降に開館を予定する新村立図書館の展示などで活用される。

 村岡さんは復帰関連資料を整理することで「米国が沖縄をどのように認識して占領していたのかを明らかにしたい。辺野古や高江に象徴される現在の基地問題にもつながるはずだ」と話す。「アーカイブ化すれば本土からも見やすくなる。戦後史や基地問題への理解が深まるきっかけにしたい」と意欲を示した。

 村岡さんは、九州大学大学院地球社会統合科学府博士後期課程にも在籍し、昨年4月に初めて読谷村を訪れた。当初は屋良氏について知らなかったが、村を訪れ、その生涯を知り、研究することを決めた。

 「復帰から45年を迎え、細かな事実が忘れ去られてしまうことを危惧している。これからますます証言を得るのは難しくなる」と話し、復帰闘争に関わった元沖教組委員長の石川元平さんや、屋良氏の顕彰事業推進期成会の会長を務めた元村長の山内徳信さんら関係者のインタビューも同時に進めて論文にまとめる。

 取り組みはクラウドファンディング「A-port」で支援できる。100万円でネガ1万点を電子化できる。4月23日まで。クラウドファンディングの問い合わせは(電話)03(6869)9001。ホームページはhttps://a-port.asahi.com/projects/yomitan-history/