沖縄県産 天然シルクの化粧品、パリへ


この記事を書いた人 Avatar photo 高良 利香
「クールジャパン」としてパリで展示・販売する沖縄UKAMI養蚕の商品

 沖縄産の天然シルクを使った商品開発を手がける沖縄UKAMI養蚕(今帰仁村、仲宗根豊一代表)が開発したスキンケア商品がこのほど、優れた日本ブランドを海外に発信する「チャレンジローカルクールジャパンinパリ」の製品に選ばれた。県内事業所の製品が選定されるのは初めて。4月から1年間、パリにあるショールームで展示・販売する。仲宗根代表は「沖縄の製品を海外に発信したい」と話している。

 「クールジャパン」として選定されたのは、シルクのボディーパウダーとボディースポンジ、シルクパウダーを配合した石けんの3種類で、いずれも沖縄産シルクが原料となっている。ブランド名は「Vilanje(ヴィランジェ)」。原料のシルクは「エリ蚕(さん)」という種類の蚕から採れる。一般的なシルクよりも水分や油分を吸収する効果が高く、保湿力もあるという。パリでは日本製品を集めたショールーム「メゾン・ワ」で展示・販売される。日本商品のPRに加えて、外国客を生産地へ誘客することも目指している。

「沖縄の商品を海外に発信したい」と語る沖縄UKAMI養蚕の仲宗根豊一代表(右)と岡松滋美さん=11日、本部町

 沖縄UKAMI養蚕では、蚕の飼料に沖縄で自生するキャッサバの葉などを使っている。飼料は本部町や今帰仁村の有給耕作地を活用し、無農薬で栽培している。製品の素材は沖縄産にこだわっており、仲宗根代表は「小さい子どもから高齢者まで安心して使うことができる」と強調する。

 現在は本部町内に工場を建設中で、将来的には工場見学や体験教室の開催のほか、地元ホテルと連携したさまざまな取り組みを進めることを目標にしている。仲宗根代表は「多くの人たちの支援を受けながら商品を開発できた。海外に沖縄の魅力を発信して、観光客の誘致などを通じて沖縄に恩返しをしたい」と話した。

 商品は、国内では4月末からの販売開始を予定している。