手前の建物が国立沖縄工業高等専門学校、中央奥は米軍キャンプ・シュワブ=9日、名護市辺野古(小型無人機で撮影)

 【名護】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、新基地が完成した場合、豊原区の一部集落や米軍キャンプ・シュワブ内にある辺野古弾薬庫が、安全のために米軍が定める高さ制限を超えることが分かった。一方、日本の航空法を辺野古新基地に当てはめた場合、滑走路上の標点から半径3千メートルにわたって高度45メートルまで規制しなければならないが、その範囲で航空法の制限を超える住宅や公共施設などが相次いで判明した。米軍の基準だけでなく、日本の航空法の基準からも逸脱した状況下で新基地建設が進んでいることが明らかになった。

 沖縄防衛局は琉球新報の取材に、辺野古弾薬庫が高度制限の標高55メートルを超えることを認めた上で「米側と調整を行い、高さ制限の適用は除外される」と答えた。一方、米軍の活動は日米地位協定に基づく航空特例法で航空法の安全規制から除外されている。そのため日米ともに安全を目的に設定されたはずの規制が「適用除外」によって有名無実化している。

 問題となっている米側の施設統一基準は、滑走路から2286メートルの範囲にある工作物の高さを制限している。辺野古新基地ができた場合、標高約55・7メートルを超えた建物があってはならないことになっている。

 豊原区では、久辺郵便局や沖縄北部雇用能力開発総合センター周辺が標高約57メートル~約60メートルに位置しているほか、標高約50メートルの地点に公共施設や集落があり、建物の高さによっては基準を超える可能性がある。

 これに加えて辺野古弾薬庫には爆発物などが貯蔵されており、同施設が飛行の安全を確保する目的の高度規制に抵触することで、新基地の安全面に懸念が広がりそうだ。

 沖縄高専の校舎と沖縄電力の送電線の鉄塔、通信会社の鉄塔が約55・7メートルの高さ制限を超えていることが既に分かっている。

 これについて沖縄防衛局は「沖縄電力の送電線の鉄塔および通信会社の鉄塔以外については、制限となる高さ55メートルを超えた地域についても航空機の運航の障害となることはないと判断しており、高さ制限の適用は除外される」としている。

 沖縄防衛局は11日、沖縄高専や豊原区、辺野古区を訪れ「適用除外」措置について説明した。