♪「奇跡の島で巡り合う」 県出身父と豪在住の娘、56年ぶり再会歌に


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CD「奇跡の島~Miracle Island~」をPRする飯島浩樹さん(左から2人目)、高良レコードの高良雅弘さん(左)、協力者のCooさん(右から2人目)、比嘉恵子さん=那覇市牧志・国際通りの高良レコード店

 夢がつなぐ、愛がつなぐ、奇跡の島で巡り合う―。沖縄とオーストラリア北部の木曜島を結ぶ奇跡の実話を基に、CD「奇跡の島~Miracle Island~」を自主制作した人がいる。山梨県出身でオーストラリア・シドニーで暮らす飯島浩樹さん(53)だ。日本のテレビ局通信員として活動しながら、沖縄の伝統文化などを紹介する「豪州かりゆし会」の会長も務めている。飯島さんは「沖縄とオーストラリア、世界をつなぐ思いで作った」と語る。

 飯島さんが作詞作曲した「奇跡の島」は、オーストラリア在住の女性が56年前に木曜島で生き別れた沖縄出身の実父と、昨年4月に沖縄市で巡り合った奇跡の実話が題材だ。飯島さんは、木曜島で取材し、昨年4月に女性が沖縄市で実父に対面した際にも同行した。本紙でも昨年4月5日付社会面で報じた。

 

 いくつもの奇跡が重なり親子が巡り合う瞬間に立ち会った飯島さん。帰国直後に「メロディーと歌詞が降って湧いてきた」と話す。独学で学んだ沖縄の三線の弾き語りで、「奇跡の島」を発信している。

 

 世界中から沖縄はフォーカスされているという飯島さんは「戦争の悲惨な傷を持つ沖縄県民は、あれだけのことがあったのにマイナスの感情で動かされていない。大らかで明るい人ばかり。沖縄の人の心をつなげれば平和が訪れると思う」と、CD制作への思いを語った。

 

 CD制作、販売には、豪州かりゆし会や南城市在住でシンガー・ソングライターのCooさん、ウチナー民間大使の比嘉恵子さんらが協力。CDは、那覇市国際通りの高良レコード、沖縄市のキャンパスレコード、南城市のたまぐすくレコード、シドニーの紀伊国屋書店で販売している。

 

 また、インターネットでは120カ国以上で配信されている。
(中川廣江通信員)