沖縄の建築単価、工事費が復帰後最高額に 建設需要高まるも人手不足


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 南西地域産業活性化センター(NIAC、石嶺伝一郎会長)は16日、沖縄県内の建設投資の動向に関する分析結果をまとめた。2017年に県内で着工された全建築物の工事費予定額は前年比12・2%増の4994億円、1平方メートル当たりの建築単価は同1万円増の22万2000円となっており、共に復帰後最高額となった。公共・民間工事が共に好調な中で、人件費や資材価格が上昇したことが影響した。

 17年の工事費予定額を項目別に見ると、居住用が前年比1・6%増の2222億円となったのに対し、非居住用は同22・4%増の2772億円と高い伸びを示した。入域観光客の増加に伴ってホテルや商業施設への投資が増加し、人手不足と建設需要の高まりを受けて人件費や資材価格が上昇。建設コストを押し上げる要因となった。

 17年の建設業の新規求人数は前年比20・6%増の6790人となった一方で、建設就業者数は前年比4・3%減少の6万7000人となった。経済調査会がまとめた那覇市の建設資材価格指数を見ると、10年を100とした場合、17年は104・8まで上がっている。

 NIACによると、完工後の工事費が販売予定価格まで上昇した事例もあったという。1平方メートル当たりの建築単価は居住用が19万2000円、非居住用が25万3000円で、共に復帰後最高だった。

 NIACの金城毅上席研究員は「建築単価が上昇することでマイホームを購入したいと思っている人が手を出せなくなる」と分析。人手不足解消の手法として「技術開発や機械化で労働生産性を高めることや、若年者や女性の建設業への参入、外国人労働者の活用などが必要となる」と指摘した。