地雷除去跡地を農地に 輝喜重機(東村)カンボジアへ技術提供


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カンボジアの農地開拓に活用されるフィールドリッパーを紹介する輝喜重機の金城一喜代表=16日、東村

 農地改良事業などを手がける輝喜(てるよし)重機(沖縄県東村、金城一喜代表)の技術が、カンボジアの地雷除去跡地を農地化する事業に活用される。同社は重機のアームの先端に取り付ける機器「フィールドリッパー」を独自に開発し、トラクターでは対応できない固い土壌を耕す技術を確立した。国際協力機構(JICA)の事業の一環としてカンボジアへ技術提供される。カンボジアでは地雷除去によって固くなった土地を耕作し、農地に変える作業に使われる。

 同社が開発したフィールドリッパーは2種あり、先端の爪が1本のタイプは爪に筒状の器具がつながり、地面を深く掘削するのと同時に、地中に円形の水路を作ることができる。作業によって地中に空気を送り込むことや、水はけをよくすることが可能となる。爪が3本のタイプは土壌をほぐす作業に使われるほか、地中に残された根などを排除できる。

 フィールドリッパーの技術はこれまで、農地の耕作作業のほかに北部地域の赤土流出防止事業などで使用された。JICAは固い土壌でも短時間で改良できる技術を評価して、カンボジアの農地開拓に活用する。

 5月末には金城代表がカンボジアへ行き、現地の人たちに技術指導を行う。金城代表は「農業を発展させることでカンボジアの人たちの所得が上がり、子どもたちの教育を充実させることにもつながる。今回の事業を成功させてカンボジアが発展する手助けをしたい」と目標を掲げた。