きょうから三日攻防 選対幹部に聞く


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 【沖縄】22日投開票の沖縄市長選は19日、「三日攻防」に突入した。無所属新人で前市議の諸見里宏美氏(56)=社民、共産、社大、自由、民進、希望推薦=と、無所属現職の桑江朝千夫氏(62)=自民、公明、維新推薦=が激しい選挙戦を繰り広げている。諸見里選対筆頭共同代表の玉城デニー衆院議員と、桑江選対本部長の花城大輔県議に、選挙活動への手応えなどを聞いた。(沖縄市長選取材班)

玉城デニー氏(選対筆頭共同代表)

<諸見里陣営>暮らし底上げ第一に 玉城デニー氏 選対筆頭共同代表

 ―選挙活動の手応えは。

 「候補者選考で時間を要したが、諸見里氏を擁立後は超短期決戦に取り組んでいる。予想以上に良い反応だ。しっかり政策を訴えたら浸透すると実感している」

 ―最終盤の取り組みは。

 「沖縄市は、仕事を持つ人の世帯の半数以上が200万円以下の所得だ。非正規で働く人を、正規雇用に転換できる中小零細企業の支援策充実を訴える。農業やものづくり体験などと観光とのリンクを図り、文化や工芸を集めた工芸の郷(さと)構想も実現したい。クルーズ船を誘致し、お客が市内に滞留する、魅力ある街づくりを目指す。観光客を市内に招き入れる仕組みとして映画村構想も政策に掲げている。そうした魅力を発信していくことが重要だ。待機児童ゼロ、循環バスの全市的整備を含め、市民が将来に希望を持てる公約をしっかり訴えたい」

 ―当選ラインの予想は。

 「4年前の投票率が57・7%で、当選者の得票数は2万9968票だった。無党派層にできるだけ政策や公約を訴え、58~60%まで投票率を伸ばしたい。最低でも2万9千、できれば3万票以上の獲得を目指す」

 ―有権者に訴えたいことは。

 「今選挙は大型ハコモノか、暮らしの政策か、どちらを重視するかの選択になる。アリーナ構想は、施設を造った後、運営が成り立つのか、市民への事前の説明責任は果たせているのか。事業規模や施設利用度など、市民との協議や説明が足りない」

 「沖縄市は待機児童が多く、所得が上がらない。市民の暮らしを一番に捉え、行政がどのような底上げを図れるか。丁寧な検証と予算の組み替えが必要だ。市民が納得できるサービスに予算を振り分ける。住んで良かったとの実感が伴う公約を最後まで訴える」

花城大輔氏(選対本部長)

<桑江陣営>市政継続で一層発展 花城大輔氏 選対本部長

 ―選挙活動への手応えは。

 「12日に総決起大会を終えて手応えはあるが、まだ十分に浸透しているとは言えない。候補者本人に油断や慢心は全く無い。スタッフにも緊張感がある。相手陣営はアリーナが争点と言っているが、アリーナは、くわえビジョンの95項目ある政策のうちの一政策であり、争点ではない。この4年間で元気になった沖縄市をさらに発展させるのか、4年前の姿に戻すのかが争点だ。桑江候補は市民の声を実際に事業として具現化している。市民一人一人との時間を大切にする誠実な人だ」

 ―最終盤に向けた取り組みは。

 「今まで続けてきたことを最後の最後まで徹底していく。期日前投票もまだ足りない。市民にもっと参加してもらい、もっと市政に興味を持ってもらい、本当に沖縄市に必要な人は誰かを判断してもらいたい」

 ―当選ラインの予想は。

 「投票率を60%と想定すると、当選ラインは3万3千票になる。3万5千票を獲得したい。市民の皆さんには、一票を無駄にすることなく、しっかりと投票してほしい。本島中部のリーダーになるべき県内第2の都市で、低い投票率の選挙をしてはいけない」

 ―有権者に訴えたいことは。

 「沖縄市を今後どうしていくのか、かじ取りをやるのは誰なのか。この4年で沖縄市は活力が出てきた。1万人アリーナ計画や琉球ゴールデンキングスの活躍で本当のスポーツコンベンションシティーになり、待機児童の解消も1600人以上の新たな受け皿をつくって積極的に取り掛かっている。成果が如実に数字に表れている。これをさらに伸ばしていくことで、沖縄市らしさがもっと深まっていくと思う。一人でも多くの市民に投票してほしい」