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第一航空、沖縄撤退へ 粟国路線、再開めど立たず

2015年8月の事故後2年5カ月ぶりに再開し、約2カ月半運航した第一航空のプロペラ機=3月13日、粟国空港

 【粟国】那覇-粟国路線を運休している第一航空(大阪府)の木田準一社長は27日、沖縄事業本部の従業員約40人に対し、6月末の沖縄事務所閉鎖を伝え、沖縄からの撤退を決めた。県や村と第一航空の間で、運航赤字分の補助金額を巡る条件が折り合わなかった。再開に向けた具体的な見通しは立っておらず、村民生活の足である航空路線運休の長期化が懸念される。

 同社は最終判断は5月1日としていたが、再開のめどが立たないと判断し、27日に撤退を決めた。

 第一航空から連絡を受けた県の長濱為一交通政策課長は、県として路線維持の方策を引き続き検討する考えを示した。別会社への機体のリースや譲渡案などさまざまな案を検討しており「(機体購入分の)補助金の返還請求は最後の手段」と強調した。

 第一航空によると、従業員の一部は大阪府の本社へ異動させる。そのほかの従業員は5月末で契約を解除する。同社の澤田隆夫沖縄事業本部長は「再開できるのであれば頑張りたいが、今の状況では(撤退は)やむなしだ」と述べた。

 新城静喜粟国村長は「県と別会社で運航できるか検討を続け、村民の足を確保したい」と話した。

 第一航空は2015年8月、粟国空港で11人が負傷する着陸失敗事故を起こした。国の体制改善勧告を受け、18年1月に約2年5カ月ぶりに運航を再開させた。しかし、昨年12月の県離島航空路線確保維持協議会で、第一航空が提示した18年度の赤字見込み額約2億6千万円が「過大」とされ認められなかったため、4月から再運休していた。同社は今月、補助を求める額を約2億6千万円から約1億8千万円に下げ県に再提示したが認められなかった。

◆「残念」運航再開願う 粟国村民 説明会求める声も

 【粟国】第一航空の沖縄撤退で、航空路線の運休長期化の可能性が高まった粟国村。住民からは飛行再開を求めるだけでなく、島の将来を懸念する声も上がった。

 西区の上原一郎区長(78)は「撤退が決まったんですか。残念ですね」と少し驚いた様子。「船は欠航が多いので、できれば飛行を再開してほしかったが、しょうがない。金銭面のことで思うようにはいかないが、できれば飛んでほしいと村民は思っている」と再開を願った。

 「困りますね」とつぶやいた浜区の末吉浩一区長(42)。「お年寄りは病院に通院する人もいる。しかし、村が出す補助金を考えると厳しい」と語り、「事務所を閉めるにしても理由を説明してほしい」と住民説明会の開催を要望した。

 東区の仲間幸一区長は村の人口が減少傾向にあることに触れ、「安定した航空路線がないことは定住促進にも影響する。地域おこし協力隊や他にも頑張っている人たちがいるが、チャーターヘリだけの不安定な状況であれば島の活性化も難しい」と話した。

 村観光協会の四方正良事務局長は、チャーターヘリが機能していることなどを理由に「今のところ、(第一航空)運休による観光への影響はあまり感じない」としながらも、「不定期でも、粟国専用路線はあったほうがいい。当然、観光客増につながるはずだ」と話した。