相撲の全国大会 女児も認めて 浦添市教委「性差制限おかしい」 主催者、方針変えず


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 【浦添】沖縄県浦添市教育委員会は近く、男子のみが出場できる小学生の相撲全国大会(東京青年会議所主催)に女子の出場も認めるよう、沖縄地区大会の運営団体を通し主催者に要望する。全国大会は女性が土俵に上がることを禁じている東京の両国国技館で開催されており、地区大会で女子が優勝しても派遣されない。浦添市教委は「性差によって活躍の機会が制限されてはならない。『女人禁制』の土俵問題に一石を投じ、全国で考えるきっかけになれば」としている。

 昨年、那覇市で開催された地区大会では女子が優勝したが、大会の規定によって全国大会には出場できなかった。浦添では30年続くわんぱく相撲があり、男女児童が出場している。今年は全国大会の沖縄地区大会と一本化され、6月9日に浦添運動公園で開かれる。女子児童も出場する予定だ。大会を後援する浦添市教委の玉城尚文化スポーツ振興課長は「全国で『女人禁制』の問題に注目が集まっている。ジェンダーフリーの観点からも女子児童も全国大会に出場できるよう要望したい」と話した。

 地区大会を主催する浦添青年会議所(JC)は「これまで女子が優勝した場合は全国大会出場を諦めてもらっていたが、果たして今後も同じでいいのか。関係者の意見も聞いて対応を検討したい」と述べた。

 一方、全国大会主催者の東京青年会議所は「土俵を借り受ける立場として、女性が土俵に上がることを禁止している日本相撲協会の方針に従うべきだと考えている」とし、現段階で女子児童の全国大会出場を認めない方針を改めて明らかにした。日本相撲協会は取材に対し「主催者ではないのでコメントする立場にない」としている。