モズクでモズク向上 県産素材のサプリ来月発売


この記事を書いた人 琉球新報社

 沖縄の生物資源に含まれる機能性成分の研究や商品開発を手掛けるサウスプロダクト(うるま市、伊波匡彦社長)は16日までに、オキナワモズク由来フコイダンに免疫力を高める効果があることを確認した。台湾政府の食品薬物管理局(TFDA)の審査の結果、今年1月に台湾版の特定保健用食品(トクホ)制度となる「健康食品」に認められ、6月から「免疫細胞増殖作用」があるサプリメントとして販売を始める。

台湾の「健康食品」の認可を得たサプリメント「美海雲」をPRするサウスプロダクトの伊波匡彦社長=14日、琉球新報社

 サウスプロダクトが台湾の研究機関に依頼し動物実験をした結果、オキナワモズク由来フコイダンを摂取することで免疫細胞を増やしたり、活性化させたりする作用を確認した。機能性は投与量に比例し、ヒト(体重60キロ)に換算すると500ミリグラムから効果がある。研究成果は2016年に兵庫県で開かれた日本栄養・食糧学会大会で報告した。近く学術誌にも投稿予定だ。

 サウスプロダクトによると、モズク由来フコイダンはこれまでに整腸作用や血中コレステロールを下げる作用などが確認されていた。今回、免疫力を高める作用が認められたことで、オキナワモズクの利用拡大が見込まれる。

 台湾の食品製造・販売会社・漢和健康事業有限公司(郭大維社長)はサウスプロダクトから原料を仕入れて、「健康食品」の認定を受けたフコイダンサプリメント商品「美海雲」を、6月から台湾全土のオーガニックショップやドラッグストア約300店舗で販売する。サウスプロダクトは、数年後に年間5千万円の原料輸出を目指す。

 伊波社長は「オキナワモズクが台湾で知られるきっかけにしたい。サプリはもちろん、モズク自体の消費拡大にもつながってほしい」と期待を込めた。