ハンセンへの移設容認 金武町長「やむを得ぬ」 菅氏来県


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仲間一金武町長と会談に臨む菅官房長官(右)=19日午後3時24分、名護市のホテルゆがふいんおきなわ

 【北部】菅義偉官房長官は19日、来県し、名護市内のホテルで北部12市町村長らと会談した。日米が合意している嘉手納より南の米軍施設返還計画で、仲間一金武町長は菅氏と個別に会談し倉庫群や施設のキャンプ・ハンセンへの移設について「県全体の基地負担軽減や経済振興を考えると、やむを得ない」などと受け入れを伝えた。菅氏は「重い決断に心から感謝する」と応じた。12市町村長らは北部振興事業の継続や基幹病院整備に向けた予算措置への支援など4項目を要請した。

 嘉手納以南の米軍施設返還計画を巡り、日米両政府は11日に計画のマスタープランを公表した。牧港補給地区(キャンプ・キンザー)とキャンプ瑞慶覧にある倉庫群や施設がキャンプ・ハンセンに移設される。

 仲間町長は、菅氏との会談で、地域が抱える課題解決、振興発展について国の「特段の配慮」を求めた。朝夕の通勤・帰宅時に町内で慢性的な渋滞が発生しているとし、沖縄自動車道とキャンプ・ハンセンを直接つなぐゲートの設置など渋滞解消の早期実現を求めた。菅氏は「要望はしっかり受け止めて誠実に実施する」とした。

 北部12市町村会長の當眞淳宜野座村長は、(1)北部振興事業の着実な実施と継続(2)基幹病院整備への予算措置などの支援(3)名護東道路と沖縄自動車道との連結、延伸整備(4)伊平屋・伊是名架橋建設の実現―の4項目からなる要請書を手交した。

 伊集盛久東村長、宮城久和国頭村長も菅氏と個別に会談した。国際自然保護連合(IUCN)が世界自然遺産登録に関する勧告を「登録延期」としたことを上げ、宮城村長が「登録に向けて政府の方針を早めに出してほしい」と求めたが、菅官房長官から具体的な返答はなかった。