住民「一日でも早く」 阿嘉島、海水淡水化施設を修繕


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5月から稼働停止している海水淡水化装置。劣化が進んでいた逆浸透膜の取り換え作業が行われた=5日、座間味村阿嘉島

 【座間味】5月から稼働を停止している沖縄県座間味村阿嘉島の海水淡水化装置の修繕作業が5日、行われた。6日に試運転し、問題がなければそのまま再稼働する。

 修繕により生産量は80トン増え、1日最高200トン生産できるようになる。だが観光客が増える6月は使用量が増える見込みで、まとまった雨が降らない限り水不足は解消されないという。4日夜から4年ぶりの給水制限が始まっている島内からは「隔日制限もあり得るのでは」と不安の声が上がっている。

 阿嘉島の海水淡水化装置は、海水を水に変える逆浸透膜の目詰まりなどが原因で5月から稼働を停止していた。座間味島でも1日約160トンの水を生産している海水淡水化施設の老朽化が進み、生産能力が落ちている。村は施設の一部修繕を検討しており、修繕されれば座間味の施設でも1日最高200トンの水生産が可能となる。

 2017年6月の1日平均水使用量は阿嘉・慶留間で約200トン、座間味島で約250~300トン。観光客数が17年より増加傾向にあることから、村は今年の水使用量は昨年を上回ると予想する。5月の座間味村の観光客は前年同月比で1858人増加した。

 一方、1~5月の降水量は平年の約51・6%にとどまっている。村は「海水淡水化だけでは(水は)賄えない。限界がある」と頭を抱える。阿嘉島で民宿を経営している50代の女性は「このままでは隔日断水になるのではないか」と不安を口にした。