スコーレ支援、再開へ 本年度内 沖縄県教育長が明言


この記事を書いた人 大森 茂夫
2万305筆の署名を平敷昭人県教育長(左端)に提出する珊瑚舎スコーレの星野人史代表(右から2人目)=8日、県教育庁

 自主夜間中学校を運営するNPO法人珊瑚舎スコーレ(那覇市、星野人史代表)への沖縄県教育庁の支援が本年度から打ち切られた問題で、平敷昭人教育長は8日、2018年度内の再開を明言し、以前の支援に近い形で「早期の調整を進めている」と述べた。同日、支援継続を求める2万305筆の署名提出のため、県教育庁を訪れた星野代表らに答えた。

 県教育庁の支援事業は、戦中・戦後期の混乱で義務教育を修了できなかった人の学びを後押しするため2011年度にスタートした。講師の手当や光熱費、施設の賃借料の一部を補助していた。教育庁は「成果はある程度出た」とし、2年間の延長を経て17年度で事業を打ち切った。17年度の支援額は395万円。

 署名では支援の継続とともに、1932~41年生まれの10年間に限定している対象者の年齢枠の撤廃も求めている。平敷教育長は、要請について「公立夜間学級等設置検討委員会で、ニーズ調査などをして、結果も踏まえ整理する必要がある」と述べるにとどめた。

 要請後、星野代表は「支援再開だけではただの現状維持だ」と語り、教育機会確保法にも触れ「年齢の枠を払って、学びを希望するすべての人への支援があってこそ、前進といえる」と、年齢枠撤廃の必要性を強調した。