琉球大学の研究者らが地域と一緒に水問題の解決を目指す「水の環(わ)プロジェクト」(代表・新城竜一琉大理学部教授)は3日、八重瀬町の「アサト・ヨザ・ナカザ地域資源保全の会」と共に「みずのわ教室」を開いた。地域の子ども会のほか町職員や住民も参加して町内の水辺を回り、水の課題を考えた。
八重瀬町と水の環プロジェクトは、以前から地下ダムの水質調査や水に関するワークショップを行って連携を深めている。役場は保全の会の事務局も務めており、メンバーは重複する。大学の専門性を地域の子どもたちにも生かし、水の保全を考えてほしいと、保全の会が毎年行う水辺の環境学習をプロジェクトと共催することにした。
この日の活動内容は、世界環境デーに全国で行われる「身近な水環境の全国一斉調査」。古くから親しまれている世持井(ユムチガー)や、飲料水や農業用水として地域を支える地下ダムの水が放流される水辺など4カ所を訪れて水を採取し、仲座公民館で水質を調べる「パックテスト」をした。地域の子ども19人、大人9人のほか琉球大の教職員や学生が参加した。
参加者らは「初めて来た」「意外に水がきれい」などと話を弾ませ、実験用の手順を教わりながら水を採取した。水中にエビや魚を見つけ、しゃがみ込んで観察する子どももいた。
具志頭小5年の上運天桃子さん(11)は「草が生えているところの水はきれいじゃないと思ったが、テストしてみるときれいだった」と意外そうな表情を見せ、仲地美穏さん(10)は「調べるのは楽しい」と笑った。
水の環プロジェクトを担当する琉球大の高橋そよさんは「いろんな立場や世代の人たちが一緒に未来を考える場をつくりたい。大学ができるお手伝いをしたい」と語った。