【東京】インド洋の島しょ国・モルディブ共和国から来日中のモハメド・アーシム外相が15日、本紙インタビューに応じ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)がモルディブで始めている波力発電実験について「実験が実用化されれば、気候問題などさまざまな課題に対して有用なので非常に期待している」と述べた。モルディブでは火力発電がほとんどで、今後は本格的に再生可能エネルギーへの移行を目指す方針だという。
OISTの波力発電事業は、リゾート地であるカンドゥーマ島で実施されている。今年4月から、2年間の予定で実験が進められる。現在すでに、日本の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による風力発電の実証実験が先行して始まっている。
日本からは政府開発援助(ODA)で、開発で壊れてしまったサンゴ礁を補う形で首都マレの島の周囲に「海の壁」を製作。アーシム外相は「そのおかげで2004年の津波の時には他の島と比べて被害が少なく済んだ」と日本の技術に信頼感を持っていると強調した。
今後の展望については「沖縄とモルディブは、ビーチやきれいな海がとても似ている。日本からはこれまでもODAで支援してきてもらった。今後も環境問題などで日本の高い技術の支援に期待している」と語った。
アーシム外相は15日、河野太郎外相と面談し、包括的な連携関係を確認し合った。