芸能・文化

立川志の輔インタビュー 「沖縄代表するホールに」 琉球新報ビル落成記念 独演会開催

琉球新報ホールでの独演会を前に「沖縄を代表するホールに」とエールを送る落語家の立川志の輔=東京都のTBS赤坂ACTシアター

 【東京】琉球新報社の新本社ビル落成を記念して7月15日に琉球新報ホールで独演会を開く立川志の輔がインタビューに応じた。琉球新報ホールの誕生について「落語ができる新しい空間ができることは落語家にとって本当にありがたい。公演内容を知らなくても『琉球新報ホールでやってるなら間違いない』と言われるようになれば最高だ。沖縄を代表する、皆が知ってるホールになってもらいたい」とエールを送った。 (聞き手・滝本匠)

 琉球新報ホール完成の記念公演に落語を催すことには「これからはこういうものも見られるよ、というものの一つに落語を選んでもらったことは本当にうれしい」と顔をほころばせた。さらには「定期的に落語をホールで開催していってもらえればありがたい。1回でも多く東京の落語を運べたらいいな」と話し、自身の公演も含め落語の継続開催も展望した。

 志の輔が沖縄で落語を始めたのは、かつて国際通りにあった小劇場・沖縄ジァンジァン。以来、30年、100回を超える高座を沖縄で続けてきた。「落語の空気ができるまでには少し回数を要した。昔は出ばやしの音楽が流れると手拍子が始まるので、よそにはない反応だと笑い、驚かされた。『あー沖縄ではコンサート感覚なんだ』と思ったのを覚えている」と振り返った。

 今では沖縄の落語ファンも育ち、毎回志の輔の公演は即完売。「笑う時はどーんと笑い、静まり返るところはちゃんと聞いてもらえる、とても集中力のあるお客さんになってきた」と感慨深げ。「琉球新報ホールの誕生で、東京や大阪からの文化を味わう回数がもっと増える良い兆しになって、良い箱になっていくだろうなと期待している」と笑顔を見せた。

 落語家としてお客に向き合う姿勢には「今どきはうちにいてもネットで何でも出てくる時代。それをわざわざ足を運んでお金を払って見に来てくれる。何が一番すごいって、お客さんの時間をもらっているということ。その時間に最高の気分を味わってもらうため、お客さま本位をずっと心掛けてきた」と静かに語る。

 落語は落語家だけでやるものではない。スタッフの動き、空調、トイレの大きさと客数を見合わせた休憩時間設定など、さまざまに神経をとがらせる。「どんなに素晴らしい落語をやって、どんなに良い雰囲気になって笑ってもらえても、『ただ一つ、あのことがねえ』と言われることがあっては台無し。『芸以外は気にすることないじゃないか』ではなく、それもお客さまにとって大事な要素。これからの劇場にはそういうところが問われる」。全国のさまざまな会場で公演を重ねてきたからこそ実感することだ。

 新聞社がホールを運営することについて「すごい覚悟と勇気と投資だと思う。新聞を読む空気とはまた違う、生の舞台をやる空気をつくろうというのはいいなあと。琉球新報ホールだと無条件に皆が見に来てくれるような位置をつくっていくのに10年20年かかるだろうが、そのスタートを切ったということだ」と新たな演芸空間の誕生を喜んだ。

 インタビューも終わりにさしかかると、最後に「何よりも当日には、お客さんは忘れずにおいでください」と付け加え、念押しの笑いを忘れなかった。

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 琉球新報社は7月15日午後2時から、新本社ビルの落成を記念して「立川志の輔独演会」を琉球新報ホールで開催します。入場券は完売しています。