真栄城さん、復活の歌声 七夕交流会で闘病後初 笑顔で「頑張りたい」


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闘病後、初めて歌声を披露する声楽家の真栄城早由さん

 【南城】沖縄県の南城市や西原町などのコーラスサークルの「七夕交流会」が16日、南城市のシュガーホール集会室で開かれた。5団体が息の合ったハーモニーを奏でる中、2017年10月に脳梗塞を発症した声楽家(ソプラノ)の真栄城早由(さより)さん(51)=南城市=が闘病後、初めて歌声を披露した。緊張した様子で「芭蕉布」を歌った真栄城さん。会場から大きな拍手が送られ「思うように声が出ないが、みんなのおかげで久しぶりに歌った。歌うのは怖かったが、もう少し頑張りたいと思えた」と笑顔を見せた。

 「七夕交流会」は、真栄城さんが指導する南城市シニア歌声サークルきらりやコールにしはら(西原町)などが交流を深めようと、約10年前から開いている。

 今年はきらり、コールにしはらの他、久場政勝さんが指導する那覇市のコールフロイデ、ウエルカルチャー、ウエルカルチャー童謡唱歌クラスの5団体から約70人が参加。夏の童謡から民謡、歌謡曲までさまざまなジャンルの歌を披露し交流を深めた。器楽グループ「アダージョ」も加わり美しい音色を響かせた。ピアノ伴奏は奥平めぐみさんと宮城梢さんが務めた。

真栄城早由さんの指揮で息の合ったハーモニーを奏でる南城市シニア歌声サークルきらりとコールにしはらのメンバーら=16日、南城市

 コールにしはらのメンバーで、県視覚障害者福祉協会(沖視協)の会長を15年務めた山田親幸さん(84)=西原町=は「真栄城先生は大病を患い、ようやく回復できた。沖視協にコンサートの収益金を寄付してもらったこともある。今日は感謝の気持ちを込めて歌いたい」と話した。

 17年10月から4カ月入院し、闘病を続けた真栄城さん。歌詞の一言一言丁寧に優しく歌い上げ、「みんなに頑張れと励まされ、歌うことができた」と音楽仲間の支えに感謝した。
 (豊浜由紀子)