【インドネシア】縁日祭、響く三線 ジャカルタ「しまーず」出演し魅了


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 世界最大規模の日本祭りである「ジャカルタ縁日祭(ennichisai)」が6月30日、7月1日の2日間、インドネシアの南ジャカルタ・ブロックMで開催された。9回目を迎える今年のテーマは「情熱 PASSION」。来場者数は年々増え続け、今年は昨年の30万人と同数以上となった。三つのステージを中心に日本人アーティストによるライブやパフォーマンスが展開され、みこしやパレードも行われた。多彩な屋台も出店し、祭りは熱気に包まれていた。

ジャカルタ縁日祭のステージで沖縄の音楽を披露する沖縄県人会「しまーず」のメンバーら

 縁日祭には、沖縄県人会「しまーず」のメンバーも出演した。沖縄県出身3人が中心となり、他府県の三線愛好者を含め8人がステージに上がり、安里屋ユンタ、童神、十九の春、いったーあんまーまーかいが、国頭ジントーヨー節、島唄などを演奏。観客らは紅型衣装に包まれた女性メンバーたちに魅了され、演奏前のインドネシア語での三線の歴史説明を興味深く聞いていた。

 会場全体には、三線など沖縄の切なくも優しい音色が響き渡り、縁日祭を盛り上げた。

 今年三線演奏で初参加をした南風原町出身の公務員、知念幸忠さん(44)は「演奏したメンバーも充実した様子で、今後も沖縄文化の三線をインドネシアで演奏しようと思う」と笑顔で意気込みを語った。2016年に知念さんが中心となり、県人会の三線愛好者が三線会を発足。インドネシアの人々の前での沖縄民謡を披露しようと、メンバーは日々、練習している。

 大東京パレードの企画に携わった南風原町出身で日系IT企業を勤める宮城真一郎さん(39)は「日本文化紹介として日本の着物の美しさをインドネシア人に間近で見て感じてほしいと思った」と話す。今回、初の試みで日本文化に興味があるインドネシア人の人々にモデルとして参加してもらい、縁日祭のテーマである「インドネシアと日本の調和・友好」をパレードで表現したという。パレードについては「三線の音を入れることで琉球文化の紹介と日本文化との調和を試み、たくさんの観客に喜んでいただけた。来年はエイサーと、よさこいやコスプレイヤーとのコラボを企画したい」と意気込みを語った。