生物模型 力作ずらり 元高校教諭の古波蔵さんが40年、教材手作り 郷土博物館で展示


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カンブリア紀に生息していたといわれる「アノマロカリス」を紹介する古波蔵政春さん=20日、沖縄市立郷土博物館

 【沖縄】元高校教諭で、生物を指導していた古波蔵政春さん(69)が作った生物の模型を集めた「手作り生き物 古波蔵政春作品展」が、20日から市上地の市立郷土博物館で開かれている。教員時代から40年余り、生物の模型を作り教材として活用してきた古波蔵さん。「模型を見て、触ることで生徒の興味関心も深まり、理解も早い」と語る。作品はウイルスから古生物と多岐にわたり、来場者を楽しませている。

 古波蔵さんが本格的に紙粘土で模型を作り始めたのはウイルスからだった。展示会でもHIVウイルスやT2ファージなどの模型が並ぶ。「なんでHIVウイルスに有効な薬がないか分かる?」。模型はウイルスの外観から分断されたものまであり、「一方的に説明するだけじゃ生徒は面白くないし興味も持てない」と、興味・関心が高まる授業をどのように実施するか語る。

 退職後は、毎年8体ずつ作品を増やし今では数え切れないほどのレパートリーで、今回は「集大成」(古波蔵さん)との位置付けだ。「学校の授業に役立ててほしい」と、県内の学校に模型を提供してきた。

 期間中の毎週土・日曜日午後1~5時には、紙粘土で生き物を作るワークショップも開催する。古波蔵さんは「どのようにしたら自分が思い描く模型ができるのか、考える。ものづくりが子どもの成長、発達にも役立つ」と参加を呼び掛けている。

 展示会は9月2日までで入場無料。月曜・祝日は休館。来場者の中から2人に、古波蔵さん手作りのクマノミが当たる抽選会も毎日開催している。問い合わせは市立郷土博物館(電話)098(932)6882。

古波蔵政春さん手作りの生物の模型たち