ボッチャ 目指す1勝 沖縄県立鏡が丘特別支援学校 「選抜甲子園」昨年初戦敗退 雪辱期す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
全国の舞台で一生を目指す県立鏡が丘特別支援学校の(左から)橋本博貴、城間梨沙、伊波興乃慎、上原涼花=7月20日、浦添市の県立鏡が丘特別支援学校

 ターゲットになるジャックボール(目標球)を目指し、カラーボールを投げつけ得点を競う「ボッチャ」。全国の特別支援学校の王者を決める「第3回全国ボッチャ選抜甲子園2018」が8日、東京の港区スポーツセンターで開催される。参加校が増え、今回から選抜大会となった。沖縄県内からは昨年に続き県立鏡が丘特別支援学校(浦添市)が全国の頂点に挑む。昨年の初戦敗退という悔しさを晴らすためにもみな“全国で1勝”を掲げ、練習に汗を流している。 (屋嘉部長将)

 全国でボッチャが普及し、出場希望校が増えたために、今大会から選抜方式となった。書類審査を通過し、県立鏡が丘特別支援学校が2年連続の出場を勝ち取った。昨年の出場をきっかけに、校内だけではなく、県内の競技人口も増えた。20人近くが競技しているが、今回は2年連続出場の城間梨沙(高等部2年)をはじめ、チームの司令塔で主将の橋本博貴(高等部3年)、ムードメーカーの上原涼花(高等部2年)、唯一の中学生・伊波興乃慎(中等部2年)がチームの代表として選ばれた。

 昨年は初戦で日本代表クラスの選手を擁する埼玉のチームに3―6で敗れた。敗戦の悔しさから今年は1勝を目指すために、より戦術の強化を図る。ボールの投げ方にも工夫を重ね、ジャックボールに寄せる「アプローチ」、ボールに当てて止める「ヒット」、ボールに当ててはじく「プッシュ」の状況に応じて使い分けるように心掛けている。

 昨年はランプ(勾配具)を使用した選手の投球に手こずった。そのためランプ対策として競技エリアのサイド側にジャックボールを置き、投げる選手にとってより角度がついた位置での得点の取り合いを想定した戦術にも取り組んでいる。昨年の全国大会を経験した双子の大城洸太朗・鈴太朗兄弟もサポートとして、一緒に練習しながら全国大会の経験を伝える。

 制球力が武器で得点を取る要になるとみられる城間は「距離感と力加減、方向の全てが重要」と語る。上原と伊波はアプローチに自信を持つ。鋭いショットが持ち味の上原は「ジャックの近くに寄せるのが仕事」とやる気満々。安定感のある伊波は「角度のないところでは確実に寄せられる自信がある」と意気込む。

 主将の橋本は高い判断能力から攻守の司令塔と活躍が期待される。「去年の記録は僕たちが塗り替える。1勝してどんどん突き進んでいきたい」と力強い。昨年のリベンジとチーム初の全国1勝へ。8日からもう一つの甲子園で特別支援学校生の熱い戦いが始まる。