興南、堅守に阻まれ 好機再三、1点遠く 夏の甲子園第11日、2回戦


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5回裏2死二塁、4番・塚本大雅の中前打で二走・根路銘太希がホームを狙うも阻まれる=15日、兵庫県の阪神甲子園球場(又吉康秀撮影)

 第100回全国高校野球選手権大会第11日は15日、甲子園球場で2回戦4試合が行われ、興南は木更津総合(東千葉)に0―7で敗れた。七回を除き走者を出すなど、何度も好機をつかんだが、相手の堅守や2投手の継投に抑えられ無得点に終わった。打線は8安打放ったものの、散発に終わり、1イニングで複数安打がなかった。投げては先発した藤木琉悠や宮城大弥、當山尚志の3投手で強力打線に向かっていったが、失策なども絡み失点を重ねた。そのほか、日大三(西東京)龍谷大平安(京都)下関国際(山口)が3回戦に進んだ。日大三が奈良大付を8―4で下し、東京勢は春夏合わせて300勝目。龍谷大平安は17安打で八戸学院光星(青森)を圧倒し、14―1で大勝した。下関国際は2点を追う九回に3点を挙げ、創志学園(岡山)に5―4で逆転勝ちした。

◆勝負どころで力の差

5回裏2死二塁、4番・塚本大雅の中前打で二走・根路銘太希がホームを狙うも阻まれる=15日、兵庫県の阪神甲子園球場(又吉康秀撮影)

 木更津総合が着実に加点していく中、興南は序盤は張り合い、何度も好機をつくったが一打が出ない。さらに相手守備の好捕や好返球で本塁生還も阻止されるなど、大事な場面でのわずかな力の差が点差となって積み重なった。

 安打数は木更津12本、興南は8本だが、興南は四死球も5個もらった。塁上をにぎわしながら届かなかった1点。勝機をたぐり寄せられず0―7の完敗となった。それでも、我喜屋優監督は「あれだけベストを尽くした選手に、これ以上のことはない」とねぎらいの言葉を贈った。

 一回裏の攻撃で主導権をつかみかけた。2四死球で一死一、二塁の場面。塚本大雅の右前打に二走仲村匠平が全力で三塁ベースを蹴ったが、相手捕手は余裕を持って本塁タッチアウト。直後の二回表に失策が絡み、逆に先制点を許した。

 興南打線は五回にも2死二塁の好機に塚本が中前打を放った。しかし、相手中堅手の好送球で二走の根路銘太希が本塁生還を再び阻まれた。八回には代打の具志堅大海が四球を選び、3番勝連大稀の右前打で無死一、二塁としたが後続が3人で仕留められた。堅守の興南がやりたい守備をやられ続け、攻撃でも得点機を逸する興南に対し、木更津総合は一発での加点やミスを逃さない適時打などそつのなさが光った。

 個々の選手の活躍では、遊撃手勝連の好守備、継投の宮城大弥のけん制アウト2回、遠矢大雅、具志頭大夢の捕手2人の盗塁阻止など見せ場も多かったが、木更津総合のチーム力に力負けした。

 多くの選手が守備のミスや相手投手を攻略できなかった打撃力不足を敗因に上げた試合だった。悔しさを隠さない仲村だったが、それでも主将らしく「仲間や最高の父母会のおかげで3年間野球できたことは幸せ。このつながりは途切れない。この経験が将来に生きてくるし、そのことを後輩にも伝えたい」と感謝で締めくくった。
 (嘉陽拓也)