小中学校の耐震化、沖縄は全国最低 塩害の影響も?


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 震度6強の地震に備えて耐震化された公立小中学校の校舎や体育館などの建物の割合が、4月1日時点で沖縄県が全国で最も低い91・4%であることが28日、文部科学省の調査で分かった。未耐震の建物は県内24市町村に138棟あり、そのうち19棟が震度6強以上の地震で倒壊の危険性がある建物だった。県教育委員会は「安全な学習環境を確保するため、建物の改築と耐震補強など早期の耐震化に取り組むよう呼び掛けている」とし、学校設置者の自治体に早期対応を求めている。

 未耐震の建物数が最も多いのが那覇市で45棟、続いてうるま市が11棟、国頭村が10棟、久米島町が9棟、本部町が8棟、沖縄市が7棟だった。那覇市は全国の市町村別でも3番目に多かった。

 那覇市教育委員会は「改築と耐震補強の両面で対策を進めており、2023年までには完了する予定」とした。

 県内ではそのほか、未耐震の建物が公立幼稚園で26棟、県立高校で9棟あった。

 県教委は県内の耐震化が遅れている要因について、塩害による建物の劣化が早いため、建物の補強ではなく、主に改築で耐震化を進めていることだとする。

 平敷昭人県教育長は「沖縄振興特別措置法に基づく高率補助制度を活用して早期の耐震化に取り組む」とコメントした。

 全国では、公立小中学校の校舎など11万5849棟のうち、99・2%にあたる11万4871棟で耐震化が完了している。

 沖縄を含む未耐震の建物は978棟あり、震度6強以上で倒壊の危険性が高い建物は194棟だった。