「急病どうすれば」北部住民 メッシュ救急ヘリ中止


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 【北部】NPO法人メッシュ・サポートのヘリが主な活動をしていた沖縄本島北部や離島の住民らは、地域の救急医療サービス低下を懸念する。「急な重病人にどう対処すればいいのか。運航は必要だ」と再開を願う声が上がった。

 国頭村の宮城久和村長は「村の医療体制を支えてもらっていた。資金面などの課題を北部12市町村で共有できなかったことは残念」と話し「ヘリの撤退は県全体で考えないといけない」と訴えた。国頭村奥の玉城壮区長(76)は「以前から寄付だけでは持たないという話だった」と残念がる。北部病院や北部地区医師会病院がある名護市まで、集落から車で2時間近く。「へき地は置いていかれる一方だ」

 離島の急患搬送でも活躍したメッシュのヘリ。伊平屋村前泊の津田隆さん(69)=漁業=は「伊平屋には飛行場がない。ヘリでの急患搬送ができなければアウトだ」と強調する。「運航再開は絶対必要だ。(再開に向けて)行政には支援してほしい」と要望した。

 メッシュに複数回寄付をした東村観光推進協議会の小田晃久事務局長は「今後も私たちにできることがあれば協力していきたい」と申し出た。