廃業ホテル、交流の場に うちなー婿が奮闘 大阪の小山さん ホステル来年5月開業


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ホテルみやしろをホステルに改装し、地域振興を目指す小山健一郎さん=国頭村

 【国頭】1973年から約40年にわたって沖縄県国頭村内外の多くの人に親しまれてきた村辺土名の「ホテルみやしろ」。2016年末に廃業したが、ホステルとして改装しようと、大阪府で内装デザインの会社を経営し空間デザインなどを手掛ける小山健一郎さん(32)が取り組んでいる。小山さんは「地域の人や村外から来た人の交流の場にし、地域を盛り上げるきっかけをつくりたい」と意気込む。ホステルは19年5月の開業を目指す。

 小山さんは、3年前に村出身の女性と結婚。その後村を訪れた際、自身が想像する「リゾート感あふれる沖縄」と違い、「思っていたよりも素朴な街並みだった」と感じたという。人口減少や若者の働く場所が少ないなど第二の故郷となった国頭村が抱える課題を解決し、村を盛り上げたいと決意した。

国頭村内外の多くの人に親しまれたホテルみやしろ

 小山さんは「村民の温かい人間関係や豊かな自然、流れるゆるやかな空気。これらの長所は都市部にはない」と、国頭の長所を語る。昨年8月に「国頭村コワーキングスペースHENTONA LOUNGE」を通して、ホテルみやしろの所有者を紹介してもらい、ホステルへの道をつなげた。18年3月にホステルを運営する法人「ARCHITECTS&BOTANICAL(アーキテクツアンドボタニカル)」を設立した。

 開業予定の「YANBARU HOSTEL(ヤンバルホステル)」は宿泊スペースやカフェ、ラウンジなどを備えるほか、バーベキューができる空間もあり、滞在者や村民が交流できる施設となっている。

 小山さんは「ホステルの運営も進めながら、イベントも企画、実行していきたい。村民と村外の人の交流の場をつくり、地域振興を図っていきたい」と語った。