社会

「祖母の家族に会いたい」 米県系3世ビクターさん ルーツ求め来沖

ビクター・シルバさん

 「おばあちゃんの沖縄の家族に会いたい」と、米カリフォルニア州から沖縄を訪れている県系3世がいる。ビクター・シルバさん(28)だ。母方の祖母のミッキチェーン時子さん=旧姓具志=は1953年、19歳の時に米海兵隊員だったドナルド・リー・マデラさんと結婚し渡米した。時子さんは故郷への思いを募らせながら昨年12月、83歳で亡くなった。「自分のルーツ、おばあちゃんのために家族を知りたい」と願い、20日まで沖縄に滞在する。


ミッキチェーン時子さん

 ビクターさんの曽祖父母に当たる時子さんの両親は盛榮さん(1976年死去)とマウシさん。那覇市宇栄原に住んでいたとの記録がある。時子さんは2人の男兄弟と妹の朝子さんがいた。沖縄戦時中、家族で南風原のガマに避難していた時に、兄弟2人は日本兵に殺されたと語ったという。

 戦後、米軍基地で働いた時子さんはドナルドさんと結婚。2人の子どもが生まれた。その後、離婚と再婚を経験し、ビクターさんの祖父にあたるエーウィン・ミッキチェーンさんとの間に6人の子どもに恵まれた。ビクターさんの手元には時子さん、朝子さんと男兄弟を写した写真や、沖縄から時子さんに届いた手紙も残っている。内容から1970~80年代に届いたとみられる。19歳でアメリカに渡って以降、時子さんは一度も沖縄に戻ることはなかった。戦争で荒れ果てた沖縄を思い出し「もう故郷だという感じがしない」と話していた。しかし、「昨年12月に亡くなるまでの10年ほどは『沖縄に帰りたい』とよく語っていた」とビクターさんは話す。時子さんが保管していた手紙や写真を大量に持参し、初めて沖縄の地を踏んだビクターさんは「おばあちゃんのため。そして私たちの家族はアメリカだけでなく、沖縄にもいることを確認したい」と話し、親族の手掛かりを探している。

 問い合わせは琉球新報社会部(電話)098(865)5158、メールvictorsilva626@gmail.com
 (東江亜季子)


時子さん(右端)らきょうだいを写した写真