12月のオープン楽しみ 新県立図書館の中はこうなってるよ!カフェのような空間、ビジネスエリアも新設


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12月開館予定の新県立図書館のエントランス。「本も入っていないこの姿は今だけ」と職員ら=那覇市旭橋のカフーナ旭橋

 動き始めた新那覇バスターミナルがある沖縄県那覇市泉崎の複合施設「カフーナ旭橋」の3~5階で、新県立図書館の開館準備が進められている。広さは同市寄宮にあったこれまでの図書館の2倍で、自由に手に取れる本は3倍近い30万冊に増える。情報と交流の拠点を目指し、職員たちは部屋を埋める段ボール箱に詰まった本を1冊ずつ登録し、棚に並べる地道な作業を急いでいる。12月中に予定される開館日は近々発表される。

子どもの本を棚に並べる職員ら(右)。左奥は床に座って本を読める「おはなしの森」

 新図書館は複合施設の3~5階。モノレール旭橋駅に面した吹き抜けのエントランスホールは、ガラス越しに秋めいた空が広がる。「これからテーブルや椅子を置き、カフェのように本をゆっくり読めるようになる」と同館の仲尾涼子さん。「本の貸し出しだけでは終わらせない」と本を活用しながら人が集まり、学びや交流に使えるスペースをふんだんに設けた。

自動で蔵書を運んでくれる自動化書庫。本の登録作業が進む

 明るい光が満ちる3階は子ども関連の書籍や展示スペース、5階は落ち着いた雰囲気で沖縄関連の資料を集めた。新設したのは一般書や雑誌が並ぶ4階にあるビジネスエリア。関連の書籍や雑誌を集めただけでなく、貸し出し用パソコンでは地域ごとの人口構成や商品購買などの統計データベース、県内・全国の新聞記事も検索できる。無料Wi―Fiが使え、パソコン持ち込みもOK。仕切られたビジネスルームはアイデア次第でセミナーや商品展示会など使い方も広がる。

 裏方では、検索システムと連動して奥の書庫から目的の本が自動で取り出される「自動化書庫」が起動する。書庫まで取りに走っていた職員に代わり、機械が運んできてくれる仕組みだ。動き始めれば省力化できるが、現在はここに収める30万冊を1冊ずつ手作業で登録する段階。職員たちは重い段ボール箱をよろめきながら台車に積んで運び出し、「1日1万冊」と気が遠くなるような作業に黙々と手を動かしていた。

 新館は祝日も休まず、平日・土日ともに午後8時まで開館する。

 重労働の引っ越し用に職員でそろえたという速乾性のスポーツシャツを着た仲尾さんは「開館したら県民みんなの場所としてどんどん活用してほしい」と笑顔で呼び掛けた。