琉球王国の国王の陵墓「玉陵」国宝指定へ 沖縄県内の建造物の国宝指定は初めて


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文化審議会が、国宝に指定するよう文部科学大臣に答申した琉球王国の国王の陵墓「玉陵」(沖縄県教育庁提供)

 国の文化審議会は19日、琉球王国の国王の陵墓「玉陵」(たまうどぅん)(那覇市)を国宝に指定することを柴山昌彦文部科学大臣に答申した。これまで、沖縄県では那覇市所有の「琉球国王尚家関連資料」(歴史資料)が国宝指定を受けている。県内の建造物の国宝指定は初めて。近く、官報の告示により正式に指定される。

 今回の玉陵の指定を含め、国宝は226件となる。審議会はこのほか、大前神社(栃木県真岡市)など8件の建造物も重要文化財に指定するよう答申した。

 玉陵は、琉球国王尚真王が1501年に築造。首里城の西に位置する。石牆(せきしょう)で囲む敷地の奥に連立する3棟の墓室は、琉球地方特有の「破風墓」で、現存する破風墓では最古で最大規模とされる。所有は那覇市。

 2000年に世界文化遺産に登録された「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」の構成資産の一つになっている。

 今回、国宝として答申された建造部分は、墓室3棟と、それらを取り囲むようにしてある石牆2棟。

 那覇市の城間幹子市長は「建造物の国宝指定は県で初めてで、市民の誇りになるものと、大変うれしく思う。貴重な文化財を未来に継承していくために、文化財の保護、保存にしっかりと努める」とコメントした。【琉球新報電子版】