三線、伝統的工芸品に 国の審議会、経産相に答申


この記事を書いた人 琉球新報社
県産三線を紹介する県三線製作事業協同組合の渡慶次道政氏(左)と仲嶺幹氏=31日、那覇市安里の仲嶺三味線店

 国の産業構造審議会は10月15日、沖縄の三線を伝統的工芸品に指定することについて世耕弘成経済産業相に答申した。経済産業省によると、近く伝統的工芸品指定が正式決定する予定で、官報で告示される。指定されれば県内で16品目となる。

 国の伝統的工芸品に指定されるには、100年以上の歴史があり伝統的な製法で作られていることや、地域産業として成立していることなど五つの要件を満たす必要がある。指定が決定すれば、普及事業や後継者育成などの活動に補助金が受けられる。

 県内では毎年約2万丁の三線が流通している。その7割が竿や皮を海外から輸入し、県内で組み立てただけの外国産の三線。安価で初心者でも買いやすいため三線の普及につながる一方、三線製作事業者や後継者育成へ影響がある。若手職人は安い三線を作って技術を身に付けていたが、安価な外国産の流通によって、その機会も減っている。

 県三線製作事業協同組合の仲嶺幹事務局長は「安い三線から手にとって普及することは良いが、伝統も守らなければいけない。指定されれば音楽業界との連携のほか、新商品開発などで若手職人の仕事も増やしたい」と話した。