「たくましく生きて」 人工ふ化のヤンバルクイナ 森へ 放棄の卵を住民保護 国頭


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放鳥されたヤンバルクイナ=6日、国頭村

 【国頭】人工ふ化させたヤンバルクイナのメス2羽が6日、国頭村内で放鳥された。事故などで保護されたヤンバルクイナの放鳥時とは違い、ゆっくりとした歩みで森へ入っていった。地元住民や環境省やんばる自然保護官事務所、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の関係者が見守った。

 人工ふ化させた卵は、国頭村で農業を営む上原耕造さん(67)が5月4日、所有する畑で見つけた四つの卵。親鳥が放棄したとみられ、村安田の環境省ヤンバルクイナ飼育繁殖施設に運ばれた後、このうち2羽がふ化した。放鳥に立ち会った上原さんは「自然には天敵も多いだろうが、たくましく生きてほしい」と目を細めた。

 やんばる自然保護官事務所によると、今年は今回までに7件、8羽が放鳥された。