「生のオペラに感動」 プロが熱演、解説も 伊江中


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オペラを披露した出演者と演出家の角直之さん(右端)=1日、伊江村立伊江中学校体育館

 【伊江】伊江村立伊江中学校(新垣博文校長)は1日、世界で活躍するプロのオペラ歌手らを招いた「オペラ公演会」を催した。第1部では独唱や二重唱が披露され、ソプラノやバス・バリトンの歌手が歌声を響かせた。第2部ではオペラ「奥様女中」が上演された。生徒は本物のオペラを体験し、迫力ある歌声や生の舞台芸術に感動した様子だった。

 出演は、ソプラノの赤嶺奈津子さん(那覇市出身)と内田智子さん、バス・バリトンの後藤春馬さん、ピアノ伴奏の藤井麻理さん、俳優の久手堅優生さんの5人。角直之さんが演出した。

 第1部でオペラ「セビリアの理髪師」から「今の歌声は」を独唱した内田さんは、恋の歌を歌いながら生徒の元へ近寄り、美しい高音を響かせて生徒の心をつかんだ。第2部のオペラ「奥様女中」はコメディーの要素を取り込み喜劇として仕上げた作品で、笑いも誘った。

オペラ「奥様女中」のクライマックスシーン

 第1部で司会も務めた赤嶺さんは、オペラとミュージカルの違いを説明。歌詞に登場するイタリア語の「mセンチ」は、「日本語の『でも』を意味する」などと解説した。出演者は生徒たちに「好きなことに向かって」とエールを送った。

 出演した赤嶺さんは同校出身の赤嶺美奈子教頭のめいにあたる。離島の子どもたちに本物の芸術を体験してほしいとの赤嶺教頭の熱い思いに、赤嶺さんも共感し、公演が実現した。

 初めてオペラを鑑賞した宮里桃子さん(3年)は「声の迫力、歌唱力、表現力がすごい。イタリア語が分からなくても表情で伝わってくることに感動した」と目を輝かせた。
 (中川廣江通信員)